親やきょうだいを自殺で亡くした、当時0〜19歳だった子どもの声をきき、死別後に
どのような情報提供と支援を親や親族、地域の関係者に求めているのか
明らかにするために、調査の協力者を募集しています
0〜19歳の間に親やきょうだいを自殺/自死で亡くした経験はありますか?
・親やきょうだいを自殺/自死で亡くしている
・亡くした当時のあなたの年齢が0〜19歳である
・あなたの年齢が本調査回答時に18歳以上である
・死別後6ヶ月以上が経過している
本調査は、親やきょうだいを自殺で亡くした当時に0〜19歳だった子どもが、死別後に親や親族、地域の関係者からどのような情報提供と支援を望んでいるのかを明らかにすることを目的としています。その背景として、子どものいる家庭で自殺が起きた際に、子どもへの情報提供と支援が後回しになりがちであることが指摘されています。社会的にも大人の支援は拡充されてきたものの、子どもたちへの支援はまだまだ不足しているのが現状です。
本調査を通して、救急隊、警察、医療関係者、葬儀社、市役所などの行政担当者、学校関係者、職場関係者、弁護士、 司法書士、ソーシャルワーカー、カウンセラーなどをはじめとする地域の関係者が支援を実施する際に活用可能な知見を提示し、遺された子どもが死別後のできるだけ早い時期から適切な情報提供と支援を受けられるようにしていきたいと考えています。
★アンケート調査
2025年4月〜2026年3月までの一年間行ってまいります。500名の方の声をお聞きすることを目標としています。アンケート調査は調査チームが共同で実施したクラウドファンディングによって得られた資金と、岡山県立大学教員研究費、教員研究旅費を活用して行われます。また、この調査は岡山県立大学倫理委員会における倫理面の審査(受付番号24-88)を通過し、調査実施の承認を得た上で実施しています(承認日:2025年3月31日)。なお、この調査にご回答をいただきます皆様への謝礼はありません。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
★インタビュー調査
アンケート(量的な調査)と並行して、2025年の夏からZoom等を活用したオンラインを通じての、インタビュー調査を行ってまいります(目標50名)。こちらは、アンケート調査の参加者の方で、ご協力の意思を示してくださった方に個別に聞き取りをさせていただきます。インタビュー調査(質的調査)は科学研究費助成事業 基盤研究(C)(一般)「0~19歳の時期に自殺で親やきょうだいを亡くした遺族を対象とした聞き取り調査」(研究代表者:大倉高志)からの助成金を活用いたします。
・社会において、乳幼児、子ども時代に親やきょうだいを自殺・自死で亡くす人々の経験についての理解を広げ、深めるのに役立ちます。
・学校、地域、行政、医療機関や警察など、それぞれの立場で何が求められているのかが明確になり、地域や日本国内にある自死遺児支援の向上に役立ちます。
・「自殺」という死因を伝えることに戸惑いを感じている親や大人の人たちに、子どもの視点からは何を求めていて、どういった点を大事にしてほしいのかが届き、判断をするための支えにつながります。
父の死が自殺であったという事実を知ったのは、9年程前です。死別から30年以上の月日が経ち、全ての公的記録は消失していました。みんな自殺って言えなかったのです。私には、父の軌跡を辿る旅路への地図や伴走者が必要でした。
これは、調査研究のための調査研究ではありません。この先には、自死遺児支援という実践があります。かつての自死遺児が、今を生きる自殺で家族を亡くした子ども達へ「一人じゃないよ」という声を届け合う相互のプロジェクトです。自死遺児への支援ツールや社会で支え合う仕組みを共に創っていきませんか。私たちはこのプロジェクトを通して、未来に向かって共に伴走していきたいと考えています。皆さんからいただいた回答が、社会へのメッセージ、変革の原動力となります。
この調査が、参加された皆様のグリーフサポートとなることを、また、自死遺児の子ども達が自己選択、自己決定できる社会を築くためのムーブメントとなることを願っています。
この調査では、「自死遺児」という言葉を「親・きょうだいをなくした子ども・若者」という定義とし、便宜的に使用します。
また、自殺と自死という言葉を事実、事象を表す時に使用しますが、どちらかの言葉を否定し、優劣をつけるものではないことを明記致します。
社会や遺族自身の中にある偏見のために未だに自殺と言うことがはばかられるような現状がありますが、私たちはそうした偏見や差別に正面から立ち向かい、皆様との対話を重ねながら、どのような亡くし方であれ、死者と遺族の尊厳が守られる社会を築くことに貢献したいと願っています。
家族の自殺を経験したメンバーが調査を企画、実施しています。
大倉 高志 おおくら たかし(写真左)
岡山県立大学 保健福祉学部 准教授、京都大学 医学研究科 客員研究員、14歳(中学3年生)で父親を亡くす
尾角 光美 おかく てるみ(写真右上)
一般社団法人リヴオン代表、バース大学大学院 死と社会研究センター 博士課程、19歳で母親を亡くす
豊福 麻記 とよふく まき(写真右下)
公立学校講師、本プロジェクトの発起人、5歳(幼稚園 年中)で父親を亡くす
この他、インタビュー調査においては、調査協力者として、親やきょうだいを自殺で亡くした遺族(5名)と支援者(1名)が、インタビュー調査の聞き手役として本調査に参加し、インタビュー調査を実施する予定です。
本調査に関する情報がさらに必要な方は下記までご連絡ください。
大倉 高志(おおくら たかし)
t-okura★fhw.oka-pu.ac.jp(★を@に変える)
0866-94-2208(保健福祉学部事務室)
本調査は岡山県立大学倫理委員会における倫理面の審査(受付番号24-88)を通過し、承認を得た上で実施しています(承認日:2025年3月31日)。